事例紹介
生産羽数全国一位の地鶏「阿波尾鶏」の販路開拓。「子ども食堂」「学童保育施設」へ食材提供。
徳島県阿波尾鶏ブランド確立対策協議会
徳島県
取組F
子ども食堂等への食材提供

徳島県のリーディングブランド「阿波尾鶏」、外食需要の縮小で生産羽数激減
私たち徳島県阿波尾鶏ブランド確立対策協議会は、徳島県(畜産振興課、畜産研究課)、孵化業者、食鳥処理業者、食肉加工業者で構成されており、「阿波尾鶏」生産出荷体制の整備と消費拡大に取り組んでいる団体です。平成元年度の販売開始当時から、この協議会の仕組みが構築され、阿波尾鶏のブランド確立のために連携を密に取り活動してきました。現在では、阿波尾鶏は生産羽数全国一位の地鶏。徳島県の施策において、県産農林水産物のリーディングブランドとして位置付けられています。
阿波尾鶏の主要な顧客は外食産業です。コロナ禍の影響で外食需要が縮小する中、生産数を調整せざるを得ず、年間出荷羽数は200万羽から160万羽へ大きく落ち込みました。この状況を打開するために求められたのが、新たな販路開拓等の取組です。今回の農林水産省の補助事業を活用して、子ども食堂等への阿波尾鶏の提供を行うことで、地鶏肉への認知向上と販路開拓に取り組みました。
販路開拓+食育活動、阿波尾鶏約200kg、レトルトカレー約7500パック提供

具体的には、生産者から阿波尾鶏を調達し、子ども食堂、学童保育施設に提供するというものです。調理師がいて調理可能な施設(子ども食堂等)には、調理しやすいようにカットを行った上で原材料として提供し、調理できない施設(学童保育施設等)には、加工済みのレトルト食品を提供し、施設利用の子どもたちに配布しました。
提供した食材は、阿波尾鶏モモ肉・ムネ肉が約200kg、レトルトカレーが約7500パック。事前にNPO法人「子ども食堂ネットワーク」さんが、子ども食堂等の要望や受け入れ体制について、各施設運営者からの取りまとめを行い、数量やスケジュールを確定した上で食材の調達及び提供を行ったため、確実な受け入れを実現しました。
また今回の取組では食材提供に合わせて食育を実施。子どもたちに徳島には阿波尾鶏という素晴らしい食材があること、それが誰によって、どこで、どのように生産されているか等々、子ども食堂や学童保育施設の方々に説明していただきました。
嬉しい反響。「地鶏はおいしい」「あのカレーはどこで買えるのか」。

今回の取組では、NPO法人「子ども食堂ネットワーク」さんに非常に助けていただいたと感じています。感染拡大第7波の影響がある中で、販路拡大の取組に様々な不安の声もありました。「子ども食堂ネットワーク」さんが、子ども食堂を経営する方々をはじめとする関係者の間に立ち、意思疎通を図っていただいたことで円滑な食材調達及び食材提供ができました。
今回は新規販路開拓とともに、子どもたちを通じて保護者を含めた地域社会における地鶏肉への認知向上と理解醸成を図ることが目的の一つでした。ブロイラーとは違う、栄養価に優れた付加価値の高い地鶏が徳島にあることを広く認知してもらうことは、消費拡大にもつながります。
実際、子ども食堂や学童保育施設で「阿波尾鶏」を食べた子どもたちが、家に帰って家族の間で「地鶏はおいしい」と話が弾んだという嬉しい話も聞いています。また、事務局に「あのカレーはどこで買えるのか」という問い合わせもいただいており、購買に繋がっていく流れもあります。今回の取組を契機として、今後も様々な機会を通じて、「阿波尾鶏」ブランドを広く普及させていきたいと考えています。