事例紹介

「阿武隈川メイプルサーモン」と「白河高原清流豚」。スーパーマーケットという新たな販路を開拓する取組。

特定非営利活動法人素材広場

福島県

「阿武隈川メイプルサーモン」と「白河高原清流豚」。スーパーマーケットという新たな販路を開拓する取組。

コロナ禍による飲食店休業やイベント中止で、地元の素材が売上減少

当社は、福島県に来た方々を「福島らしさ」でおもてなしするために、「地産地消」の推進事業を行っている特定非営利活動法人です。地産地消に取り組む会員宿泊施設と地元素材の生産者を繋ぐ企画等を立案・実施しています。

今回のコロナ禍では、福島県内の生産者に大きな影響が及びました。その一社が「阿武隈川メイプルサーモン」を飼育・販売している(株)林養魚場様。「阿武隈川メイプルサーモン」は主に都内のレストランに提供していましたが、コロナ禍により飲食店の多くが休業。販路が減ったことで売上が2割以上減少しました。もう一社が「白河高原清流豚」を生産している肉の秋元本店様。県内外のイベントで「白河高原清流豚」を使用した「白河メンチ・白河コロッケ」等を販売していましたが、コロナ禍により出店予定をしていたイベントがすべてなくなり売上が減少。この2つの地元素材は一般の人が購入できる場所が限られ、スーパーマーケットには販路がありません。売上回復のためには新たな販路開拓が必要でした。

スーパーマーケットで「白河まつり」を開催、地元の人々に味を知ってもらう

スーパーマーケットで「白河まつり」を開催、地元の人々に味を知ってもらう

「阿武隈川メイプルサーモン」は阿武隈川の源流を活かし白河地域の西郷村で飼育されています。「白河高原清流豚」も阿武隈川の清流と厳選された餌で育てられています。今回の取組は、会津若松に本社を置くスーパーマーケットチェーンの運営会社である(株)リオン・ドール様にて、二つの地元素材が共通する「白河」をキーワードに「白河まつり」を開催するというもの。県内でも「白河」と「会津」は異なるエリアであり、お互いの産品を知る機会はそれほど多くありません。そのため、まずは会津を中心に県内の方にその味を知ってもらい、ファンになってもらうことで新しい販路を開拓する試みに取り組みました。

(株)リオン・ドール様が運営するスーパーマーケット全70店舗で開催した「白河まつり」の期間は14日間。二つの素材を採用したメニューを「寿司」「丼」「惣菜」のカテゴリーで展開し販売しました。また大型店で「阿武隈メイプルサーモンの解体ショー」を実施し、店舗に足を運ぶきっかけ作りも行いました。さらにそれぞれの素材の特徴やメニューを写真付きで紹介したチラシ、のぼり、ポスター、店内フラッグ等の販促物を制作し、PR活動を展開しました。

新たな販路開拓がもたらす地域ブランド確立、地産地消の推進

新たな販路開拓がもたらす地域ブランド確立、地産地消の推進

今回は、そもそも取引がないスーパーマーケットという販路を開拓する取組です。もちろん販売実績がありません。そのため調達量をどうするかが、苦心した点です。「阿武隈メイプルサーモン」は(株)リオンドール様の別サーモンの昨年鮮魚販売実績を参考に数値を算出しました。元々高価な「白河高原清流豚」も同様に、取り扱っている中で最も高価な特殊豚の前年実績を参考に、調達計画を立てました。

また、店舗ごとに販売計画を立て一括納品しないなど、余剰在庫が発生しないように調整。特に「阿武隈メイプルサーモン」は生鮮品であるため(「白河高原清流豚」は冷凍ブロック)、調達量や納品日に細心の注意を払いました。

「白河まつり」に足を運んでくださったお客様の方々は、「国産サーモン」「県産豚肉」という点に強く関心と興味を示していただけたと感じています。特に「阿武隈メイプルサーモン」に関しては、「国産のサーモンが福島にあるなんて」とお客様同士盛り上がる姿も垣間見えました。「白河まつり」開催期間中、リピーターになって購入するお客様も。お客様に「美味しい」「他では買えない」を認識していただけた手応えがありました。

今回のスーパーマーケットという新たな販路開拓は、単に県内の新規需要を喚起しただけでなく、今後、継続販売することで地域ブランドの確立や地産地消の推進にも大きな効果をもたらすと考えています。

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