事例紹介
県産品事業者の販売促進のために、新たな販路・通販サイトでキャンペーンを実施。
大木化粧品株式会社
大分県
取組B
インターネット販売事業者と連携した取組

外食需要の低迷で取引事業者の出荷ボリュームが縮小
当社は、化粧品を中心とした装粧品、石鹸洗剤、日用雑貨品等の卸売を営んでいます。2004年からは、インターネットショッピングサイト「コスメボックス」を開設し、EC販売をスタートさせました。2018年3月より、大分県からの委託を受け、大分県内の事業者の商品のみを取り揃えた通販サイト「おんせん県おおいたオンラインショップ」の運営を行っています。こちらは県産品の販路拡大及び商品PR等を通じて、地域活性化を図ることを目的としたサイトです。
コロナ禍による外出自粛等の影響で巣ごもり需要が伸び、「おんせん県おおいたオンラインショップ」の県産品の販売は全体としては拡大しました。しかしコロナ禍の影響を受けた取引事業者の商品も存在しています。各事業者は同サイトのみで販売しているわけではありません。コロナ禍によって外食需要が低迷したことで、出荷のボリュームが大幅に縮小した事業者、外出自粛により店舗に人が来ないことで打撃を受けた事業者もいます。そこで今回、販路開拓事業を活用させていただき、当社運営サイトで独自のキャンペーンを行い、販売促進のきっかけにしたいと考えました。今回の取組は、これまでサイトでは販売せずに他に販路を持っていた商品の需要喚起のために、新しい販路として当社運営サイトでの販売を提案しました。
同サイトに出品している事業者の商品需要落ち込みに対する取組
特設ページの開設によるキャンペーンの実施

具体的には、通販サイト「おんせん県おおいたオンラインショップ」にて特設ページを立ち上げ、販促キャンペーンを実施しました。顧客が通販サイトで購入する際に、一番のハードルとなる送料に補助金を充当することで顧客負担額を無料とし、新規顧客の獲得を目指しました。
また、商品の購入を検討しているが、高価格帯や容量が多く購入を見送っている顧客に対し、「お試し商品」を提案することで購入に繋げました。同サイトでは数多くの県内事業者商品を取り揃えているため、個々の事業者では取組が難しい「セット商品」企画が可能です。特設ページでは、キャンペーン対象となっている品目と関連したセット商品を企画し、事業終了後の定着化に繋げる取組も進めました。
また特設ページは、ページ最上部にキャンペーンバナーを設置し取組の概要を記載。上部より順に新規顧客の獲得施策として「送料がお得な商品」「お試し商品」を位置付け、ページ下部に柱となる「セット商品」を掲載し、サイト訪問者がページを回遊してもらう構成としました。
「豊の国・大分」の豊富な県産品を継続的に発信していく

「お試し商品」は手に取りやすい価格とポスト投函できるサイズを設定。試して気に入っていただけたら、リピート購入に繋げていくことを目指しました。この「お試し商品」は当社が元々取り扱っていた化粧品で取り組んできたもので、そのノウハウを活用しました。
また「セット商品」は、たとえば「とり天」であれば、国産の鶏もも肉に調味料や小麦粉等も含めてセットで販売、お客様はセットを購入すれば「とり天」が作れるといった企画商品です。週1回、社員全員で会議を実施し、各社員がアイデアを出してお客様に響く「セット」を考案しました。商品の選択肢を持たせた「選べるセット」も社員のアイデアです。お客様に商品を選ぶ楽しさを提供したことで、ご好評をいただきました。
キャンペーン期間中、新しい商品を増やしたことやセット販売の取組により、販売は順調に伸びました。お客様にも事業者にも喜んでいただける結果を出せたと思います。大分県は「豊の国・大分」と呼ばれるように、美味しい山の幸・海の幸が豊富にあります。しかし、県外で目に触れる機会はあまりありません。今回のような取組で県産品を発信することは、生産者の支援にも繋がったと思います。事業終了後も当社通販サイトにて継続的に商品の販売を行い、販路定着化のための施策を実施する計画です。