事例紹介

食育活動を継続するために着目した「子ども食堂」。一流シェフ考案の5000食のカレーを提供。

一般社団法人ChefooDo(シェフード)

東京都

食育活動を継続するために着目した「子ども食堂」。一流シェフ考案の5000食のカレーを提供。

「食」を通じてココロを豊かに育むことを目指して

一般社団法人ChefooDo(以下、シェフード)は、「食育」を通じて日本の食文化をより活性化し、食を通じて「ココロ」を豊かに育むことを目的に、2017年発足しました。日本を代表するシェフ約50名と料理に関わるメンバーが立ち上げた、新しい「食」活動団体です。具体的には、次の3つの活動を行っています。

一つ目が「食育の推進」。食に対する豊かな感性を育むきっかけ作りを行い、食事を心から「楽しみ」「感謝」できるような取組を進めています。学校給食にシェフのオリジナル献立を提供することをはじめ、子ども食堂への食材提供、親子料理教室などを開催しています。二つ目が「地域社会との連携」。これは、地域の生産者や食材、伝統的な食文化を応援する取組で、地域産業や自治体等と連携して進めています。三つ目が「被災地の応援」。災害を受けた地域・人たちを食で応援し、全国に笑顔の絆を作るため、イベントへの参加や開催、生産者支援等の活動を行っています。

活動が制限される中、「子ども食堂」に活路を見出す

活動が制限される中、「子ども食堂」に活路を見出す

私たちシェフードの活動の多くは、人との触れ合いがあって成り立ちます。学校食堂、各種イベント、生産者との交流、被災地支援など、いずれも移動と人とのコンタクトが発生します。そのため、コロナ禍によって「食」に関わる様々な業界同様、シェフードの活動も大きく制限されることになりました。特に活動の軸であった、学校給食における食育活動を継続することが困難になったのです。

また以前から応援していた生産者の方々も、外食などの需要が縮小したことで、従来のように産品を市場に卸せない事態に陥りました。そうした状況下、活動の可能性を探る中で着目したのが「子ども食堂」です。シェフードのこれまでの子ども食堂の取組は、シェフが「直接料理を提供する」というものでした。今回の販路開拓事業を活用し、「調理済みの料理を届ける」ことで活路を見出そうと考えたのです。

子ども食堂、生産者から届いた喜びの声

子ども食堂、生産者から届いた喜びの声

地域の生産者から食材を調達し、シェフが考案したメニューを子ども食堂に届けるという取組を開始しました。料理には、コロナ禍により需要が減少した全国各地の野菜を使用しました。検討の結果決まったメニューは、カレー約5000食。シェフの手にかかれば本格的なものを作るのも可能ですが、子どもたちを対象にしていますから、本格的でありつつ食べやすく、そしておいしいというカレーを考案しました。また、コロナ禍により調理自体が難しくなっている子ども食堂も多いため、温めるだけですぐに食べられるよう真空包装にて提供しました。

課題だったのは、5000食をどうやって作るか。メンバーと知恵を絞り、シェフのレシピに沿ったカレー5000食を作り上げたときは、メンバーみんなに笑顔が溢れました。コロナ禍で子ども食堂への支援が少なくなっている中、子ども食堂からは「おいしくいただきました」と大変喜んでいただいています。また、生産者からは「新しい販路ができた」と喜びの声をいただきました。今回は農林水産省の補助事業を活用し、無償で提供しましたが、今後は子ども食堂の理解を得て有償で継続していきたいです。そして子ども食堂を通じた食育や地域生産者支援等をさらに推進していきたいと考えています。

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